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入場の第一歩目は左足? 右足?

原則、入場するときは左足からですが、道場の構造によっては右足から入る場合があります。

右足から入る道場の特徴は、射場への入り口(玄関ではない)の正面に上座(神棚等)があることです。
射場に入ってすぐ左側に安土があるところは、右足から入るのがベターです。

そもそも、なぜ左足から入るパターンと右足から入るパターンが存在するのか。
断言できませんが、弓子が実践していて思うのは上座に対して背中を向けないといいことではないかと思います。

え? 背中を向けないってどゆこと?(゚д゚)ってなりますよね。わかりやすく言うと、踏み出す足の内側(親指側)を上座に向けるということです。

足の外側(小指側)を体の外側、つまり背中側とすると、私達が普段審査で入場する際は左足から踏み出しますが、上座である神棚へは足の内側(親指側)つまり腹側を見せることになるのです。

そう考えると、射場への入り口真正面に神棚があるときはどちらの足を踏み出すべきか。
上座の優先順位(?)は、神棚(国旗、審査員席)>的(安土)とされているので、的に対して背中を向けないようにするために右足から入ります。

あれ、そういえば矢渡しの介添えは? と思ったそこの方、鋭いですね。
ちょっと複雑なのですが、これも上座に背中を向けないというポイントで理解できるのではないでしょうか。

つまり、第一介添にとって上座は神棚なので、第二介添えから矢を受け取り向きを変えて射手方向に進む際は右足から踏み出しますが、射手の後ろに回り込み射手の馬手に矢を差し込む際は左足から踏み出します。

第二介添えにとって上座は、的から遠いところにいる場合は射手が上座となり、的に近いところにいる場合は的が上座となり、自分のいる位置によって上座が変化します。
矢を取るために踏み出す足は、射手が上座となるため射手に背中を向けないよう左足から踏み出します。
矢を的から引き抜いた後は的が上座となり、一歩後退するので左足から踏み出します(右進左退の左足から後退するに則る)


なお、意を注いだり礼(揖)の先は神棚(国旗、審査席)であることに変わりはありません。あくまで、入場する際の踏み出す足がどちらなのかという点では、右足から踏み出す場もあるよということです。また、入場した足が普段とは違うからといってすべてが違うわけではありません。上座に対して背中を向けないということを忘れなければ、たいていの場所で間違えることはないと思います。

しかし、流派によっては右足から進み右足から退場するところもあるようなので一概にこれが正しいとは言えないと思いますが、上座に対して背中を向けないというのはひとつのキーポイントなのではないかなと思います。
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竹弓のこと

なぜ的中も出ないのに竹弓を使うのか。高段者の人は竹弓を使うのか。
そう聞かれたら、どう答えますか?

ここで私なりの考えを書きます。

竹弓だから的中が低くなりがちとか、高段者だから的中が高いとかないと思うんですね。

道具については、合成弓が発明される前はたとえ初心者でも竹弓を使っていたわけです。
それでも二年くらい練習すれば的中が八割行くのが普通だったのです。

時代がくだって、誰もが手軽に弓道をはじめられ、普及のきっかけともなった合成弓が販売されると、合成弓の手の内や引き方で竹弓を引こうとすれば破損する傾向があるというのが、一時まことしやかに語られていました。
ですが、竹弓も進化を続けていて、カーボンシートを挟み込んだ竹弓であったり、竹の節を粘土で作った合成弓など、メーカーや弓師によって大いに工夫がされていると思います。

したがって、道具がその人にあっていないのかそれとも道具を使いこなせていないのかの二択になるわけですが、それを師匠でもない第三者が判断すべきではないと思います。


段位についてですが、二段の人でも的中率が8割以上の人もいますし、称号者でも5割になるときとならない時のばらつきはあるかと思います。
高段者の定義が示されていないので何とも言えませんが、どんな道具を使っても的中率を維持するのが理想とする人もいれば、中にはきっと自分の引き方に合うよう道具を唯一無二のカスタマイズしている方もいるでしょうから一概には言えないと思います。


消極的に考えるならば、全日本弓道選手権大会に参加するには竹弓・竹矢を使用しなければならないので、目指す人たちは必ず竹弓竹矢を使って練習すると思います。

積極的に考えるならば、弓道でも竹弓竹矢を使ってこその武道だと思いますし、手入れなどの手間も含めて趣味としての弓道なのかなと思います。本来ならば師匠にあたる人が弟子の使っている道具の面倒を見たり手入れの仕方を教えたりするようですが、最近はそのような場面はみません。弓矢のメンテナンスは弓具店へ出すのが主流ですね。


なぜあの人はこういう道具を使うのだろうかと興味を持つことは悪いことではありません。
悪気があっていったわけでもありませんが、他人の道具に対してその人のいない場所でああだこうだというのは避けたほうがいいのかもしれません。
弓子のつかっている弽は少し特徴があって、はじめて見る人には奇抜に見えるかもしれません。陰口も散々叩かれました。的中もないくせにあんな目立つ道具を使ってとか。(本人に聞こえるような陰口ってどうなのと思うのですが(;´Д`))

でも気にしません。これがいいんですから。

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そろそろ一燈斎がいい塩梅になってきた

2019年に購入した一燈斎。当初は14.5キロ(実測15キロ)くらいだったとおもいますが、あれから4年が経ちました。
裏反りも昨年の夏あたりから一定になり始め、手に取ると軽い感じで、これが枯れ時なのか? と思っていたところです。
最近は引分けが軽くできるな~と思っていたのですが、測ってみると14キロになっていました。
だいたい5年くらいで13キロになればいいと考えていたので想定の範囲内ですね。

師匠からもう一張用意してもよいのではないかと。
もし増やすとしたら、同じように薩摩成の弓で、幅が今よりも少し狭めで台形のものがいいなと思ってます(´∀`*)


ついでに、5年間使用している雷槌は特にクラックや傷もなく健在です。
頬摺羽が少しずつ削れているくらいで、筈をくるっと回転させて使おうかなと思います。
これ以上矢を増やしても練習量が少ないのでもったいないですし、竹矢もあるので。
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部活動の地域移行について

縁あって部活動の地域移行について会議に参加してきました。

部活動の地域移行とは、少子高齢化に伴う部活動人口減少と教職員の負担軽減の対策のために、地域にあるスポーツ少年団や合唱団といったクラブに部活動を移行させるというものです。

これまで部活動は学校教育の一環とされてきましたが、令和6年をめどに部活動は完全に学校教育から切り離され、地域の社会人も混じった社会教育の中へ入っていくことになります。

社会教育とは、社会教育法に基づいた定義で「学校教育と家庭教育にあてはまらないもの」とされています。

習い事は家庭教育に含まれますが、部活動は学校教育に含まれていました。社会教育は大人の趣味の範疇というとまだ範囲が狭いのですが、だいたいのイメージはそんな感じです。

この部活動が「部活動という概念を捨てて」、新たに「地域クラブ活動」として地域ぐるみで子どもたちの活動を支援していこうというものです。

例えば、○○市内にあるいくつかの中学校にはバスケットボール部がありますが、定員が4人以下です。これではチームが組めず大会にでも出られません。そこで、地域単位でできるクラブ活動を設立し、中学校のバスケットボール部に所属する人たちは学校単位から地域単位に移行することで、大会に出ることができます。また、体育館も週替わりで学校ごとに回ることができるため、設備の共有が可能となります。

また、部活動顧問の先生の負担が減ります。平日放課後に教員が指導し、土日は地域の指導者が指導するようにすれば、教員は休日が確保できます。

しかしデメリットもあります。今まで教職員で行っていたため指導料が不要でしたが、指導者を入れることで指導料がかかり、さらには学校教育の一環ではなくなるため、公的施設の使用料もかかるようになります。
そうなると、経済的に苦しい家庭は地域クラブに継続して所属することができなくなるか、あきらめてしまうのではないかという懸念があります。

ここまできくと、そもそも部活動のままでも経済的に苦しい家庭の生徒さんは部活動に参加できないと思います。
そこらへんは憶測の域を出ませんが、学校の費用でまかなっていたのか、それとも先生のポケットマネーでまかなっていたのかわかりません。

弓子が中学生の時、吹奏楽部に入れる人は楽器を変える家庭の子どもたちでした。学校で楽器を買うことはあっても、その生徒さんのために買うのではなく、老朽化して劣化したものと交換する名目で楽器を買い替えていました。
野球部も、毎週のようにある練習試合や合宿のための費用をねん出できる家庭の子どもたちが所属していたイメージです。

なので、地域クラブ活動になったとしても格差は残ると思いますし、SDGsを掲げている国としては「だれ一人取り残さない」ことを掲げてはいるものの、指導料や使用料の補助は出さないと表明しています。

自治体が負担することになるでしょうが、はたして中学生の生徒さんに全くお金を支払わせずにクラブ活動して何かいいことがあるのかどうか、正直分かりません。いい指導を受けたければ、対価であるお金を払うのは社会のルールの一番大事なことだと思います。なんでも無料でもらえる、わけてもらえることが当然であると思われては困ります。


では弓道はどうか。

他県の動向はわかりませんが、弓子のいる県内には弓道部のある中学校は限られています。
しかも私立ならOBOGが指導に当たるため、地域移行を考える必要は薄いように感じます。

むしろ新たなクラブ活動の選択肢として弓道が展開されれば、新たな裾野になりうるのではないかとふと感じました。

現段階では既存の部活動を地域へ移行させる想定なので新規展開は考えられていないですが、地域で子どもたちと一緒に活動するならば、新たな種目の展開はありなのかなと思いました。

また、弓道でもきちんと指導できる人に指導料が入るようになれば、弓道で食べていくとはいかないまでも少しはお金が入るのではないでしょうか。そうなれば実績としての国体や全日本の入賞そして段位も少しは評価されるのではないでしょうか。


とりとめもないですが、ふとそんなことを妄想してしまいました。

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2022年を振りかえって

コロナ三年目に突入し、だんだんコロナ慣れしてきたなかでコロナ対策が習慣となり、射会も開かれるようになってきました。
そんな一年間を振り返ってみます。

〇たくさんの方々が初心者教室に通っていただけたこと
支部の中では当道場が初心者教室の会員数が一番多く、定着率も高かったです。
私設道場というところもあってか、中学生だけでなく小学生も受け入れています。
この三年間、毎年のように小中学生からのお問い合わせが多いようです。メディアの影響からでしょうか、弓道に興味を持っていただけたことがとてもうれしいです。
遠い市区町村からお越しいただいて教室に通っていただく方もいらっしゃいます。とてもうれしいことですが、ねがわくば、他の支部でも小中学生の熱意を汲んでいただき、保護者同伴のうえで初心者教室に入れていただけると保護者の方の負担が減るのではないかと思います。
未来の弓士をどんどん増やして弓道の未来を明るくなるよう、切に願います。


〇高校生を交えた大会を開催できたこと
地域では今年唯一、高校生と社会人を交えた大会を行いました。とても白熱した戦いを高校生たちは見せてくれましたし、社会人もコロナ禍の中で練習を重ねてきた人もおり、たくさん勉強させていただきました。
三年間大会を実施できないということは運営方法の引継ぎができないことにもつながります。
小規模でも大会を開催すれば、運営ノウハウは次世代に引き継がれていくと思いますが、なかなか難しいところもあるようです。
なかには、これを機に終わりにしようとするところもあると聞きました。
諸事情があるかと思いますが、高校生たちの大切な機会を小規模でも続けられたらなと思いました。


〇新たな出会い
弓関連の新たな出会いもありましたし、着物関連でも多くの出会いがありました。
今年の審査は国家試験のため見送りましたが、来年は五段目指して頑張りたいと思います。
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自己紹介

弓子908

Author:弓子908
はじめまして。弓子と申します。
高校から始めてかれこれ10年ほどの弓引きです。
社会人になって二度支部の移籍を経験しました。
合成弓「示現」と竹弓の「一燈斎」一緒に地元の大会に出場中。

ときどき着物の事も書きます。

「広く浅く、ところどころ深く」が座右の銘。
よろしくおねがいします。

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